また質問があったので特別に簡単にお答えしましょう!
これは、いい質問ですね!日本が加盟するとどうなるのでしょう。
さあ、それでは一緒に考えてみましょう。
さあ、それでは一緒に考えてみましょう。
アメリカや中国、ロシアは、実はそれぞれ別の理由でICCに反対しています。 アメリカが反対するのは、アメリカが世界中に多くの軍隊を派遣(はけん)していて、その兵士ひとりひとりが、もしかしたらICCによって裁判を受けるかもしれないと思っているからです。アメリカは、自分たちの国が、それほど世界に好かれていないことを知っています。だから、アメリカをよく思わない国が、ICCを使ってアメリカをわざと訴える(うったえる)ようなことをするのではないか、と。アメリカはその可能性を恐れているのです。でも、本当はそんなことはないんですよ。ICCは、そうやって悪意を持って訴えることができないような仕組みになっているからです。この仕組みについては、後で説明しますね。
中国とロシアのうち、中国はたしかに反対しているんですが、ロシアは実は「反対」はしなかったんです。ここを見てもらうとわかるのですが、ローマの会議ではロシアは確かに反対票を入れてないんですね。ではなぜ、いまだにロシアはICCにおおっぴらに賛成することをしないのでしょうか?
中国が反対しているのは、実は通常の「解説!」シリーズでも説明した「主権」(しゅけん)※が関係してくるからです。中国はICCは中国の主権をおびやかすのではないかと考えています。またICCが扱う戦争犯罪の罪が、国際的な戦争だけでなく、国内での紛争も対象としていることを警戒しています。 中国はとても広く大きな国で、多くの種類の人々が暮らしています。だから、争いが絶えず、いまも中国の中では中国の政府に不満を抱える人がぶつかりあって、テロを行ったりしています。中国は、こうした国内の問題について、ICCが強引に関わってくるのではないかと警戒しているわけです。これを「内政干渉」(ないせいかんしょう)といいます。「内政」とは、「国内の事柄」という意味を持ちます。「干渉」とは、口を出すこと、口をはさむことを言います。中国は、ICCがこの内政干渉をしてくるのではないかと気にしているから、ICCに反対しているのです。※主権についての説明はコチラ!
ロシアの場合は、少し違います。ロシアも大きな国ですから、国内にさまざまな問題を抱えていますが、ロシアは中国と違って、会議では反対票を入れなかったんです。それは、ロシアの考えではICCがまだ不完全なもので、ちゃんとした形のあるものでないと思えたから、もっと形のあるものになったら賛成する、というのが反対した理由だったからです。実際、ロシアはその後もちゃんとICCの会議には参加していて、ICCの中身を作るために積極的にかかわっています。
それに、中国やロシアがICCに反対していたのは1998年のときのこと。いまは、おおっぴらに「反対だ!」などとは言わずに、積極的に会議に参加して、ICCの成長を見守っているみたいです。いまだに会議にもまったく参加していないのは、アメリカくらいのものなんですよ。1998年からもう9年も経ちましたから、国というものも立場を変えるものなんですね。実は、アメリカも少し反対の態度がやわらかくなってきているんですが、その説明はまた後でしましょう。