国際刑事裁判所(ICC)と日本 for KIDS!

2007年12月、日本からICCのさいばんかんが誕生しました!(^o^y

回答その3!「どこにあって、だれが捕まえるの?」

私は名古屋の中学1年生です。夏休みの自由研究の課題にしたらて言われてお父さんに教えてもらってよんでみました。むつかしい言葉が多くて読むのが大変だったけどがんばってよみました。国際裁判所はどこにあるのですか?ローマにあるのですか。あと犯罪をしたひとはだれがつかまえるのですか。警察の人がつかまえるのですか。いままでにつかまってろうやに入れられ人はいますか。ろうやはどこにあるのですか。
aiti2521さんの娘さんから

久しぶりに質問があったので、簡単にお答えしましょう!
今回は、4つも質問いただいちゃいました。

aitiさんからの質問はとても基本的なものだけれど、たしかに誰もが疑問(ギモン)に思うことですよね。
さあ、どんな答えがでてくるでしょうかっ^^

○質問1:国際裁判所はどこにあるのですか?
○質問2:犯罪をしたひとはだれがつかまえるのですか。
○質問3:いままでにつかまってろうやに入れられ人はいますか。
○質問4:ろうやはどこにあるのですか。

〔答え1〕国際刑事裁判所(ICC)はオランダのハーグ(DEN HAAG)という街にあります。ハーグは国際司法都市(こくさいしほうとし)といわれていて、ICCのほかに、国と国との争いごとを調停(ちょうてい=争っている間に他人が割り込んで争いをやめさせること)するICJ(国際司法裁判所)や、旧ユーゴスラヴィアという昔あった国で行われた国際犯罪(はんざい)をさばくためのICTY(旧ユーゴスラヴィア国際戦犯法廷)など、国連の国際司法機関もあったりして、まさに世界の国際司法の中心といわれる街です。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/netherlands/image/map.gif
オランダの場所(だいだい色の部分)
(ココで「ハーグ」を探してクリックしてみてね!)


〔答え2〕犯罪を犯したとされる人(被疑者=「ひぎしゃ」といいます)は、その被疑者がいる国の警察が捕まえます。被疑者のいる国は、ICCに加盟していない場合は、被疑者を捕まえることは、その国の義務(ぎむ=しなければならないこと)ではありません。

ICCは、国連を通して協力(きょうりょく=助けること)を要請(ようせい=お願い)できますが、ICCに加盟していない国は、この要請に応じる(おうじる=YESということ)必要はないのです。だからICCは、加盟国をもっといっぱい増やして、世界中の国々がICCに協力できるようにしたいんですね。

最近、日本がこのICCに加盟したことで、日本も、たとえば日本に被疑者が逃げたときに、ICCに協力して被疑者をICCに引き渡すことができるようになりました。これはICCにとって、とっても心強いことなんです。

〔答え3と4〕2003年にICCが機能しはじめてから、いままで捕まった人、1人だけいます。アフリカのコンゴ民主共和国(みんしゅきょうわこく)という国で、こどもを強引に兵士する(強制徴兵=「きょうせいちょうへい」といいます。「ちょうへい」については、お父さんに聞いてみてね!)という犯罪を行っていたとされる、トーマス・ルバンガという、反政府武装勢力(はんせいふぶそうせいりょく=政府に対して暴力で反対するゲリラ)のリーダーです。

ルバンガ被疑者は、ICCに加盟したコンゴ民主共和国の政府当局(警察)によって捕まえられました。捕まえられた被疑者は、まずコンゴ国内の収容所に入れられて、そのあとでオランダのハーグに移送(いそう=他の場所へうつすこと)されました。つまり、捕まえられた被疑者はオランダのハーグに収監(しゅうかん=ろうやに入れられること)されます。いま、ルバンガ被疑者は、ハーグのろうやの中にいます。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/congomin/image/map.gif
コンゴ民主共和国の場所(だいだい色の部分)

これで全部の質問に答えられたかな?質問をしてくれると、答えをいっしょけんめい考えられるので、かつみも助かります!どんどん質問してね!